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マッサージ師・武井【自立編】(完)
依頼人は、「大衆酒場洋ちゃん」の角向かいにある、「男も女も楽しめる♪クラブ葉子」
のママ、葉子だ。

「最近、うちのホストがどんどんいなくなっちゃってね・・・。
噂では、そこの酒場に消えてる、って話なのよ。私も信じられないけど、
うちの大事なホストたちを、奪い返したいのよ!なんとかして、武井さん」

葉子ママに頼まれ、俺は断れなかった。
俺もこの、男も女も楽しめるクラブで、いつも楽しませてもらってるからな。
このお店は、名前のとおり、ホステスはもちろん、ホストも常備されているので
カップルで来ても楽しめるのだ。

「そうそう、まずは、うちのホストのウンちゃんを探してきて。
うちのトップの子なんだけど、彼が行方不明になってから
売り上げ少し落ちてるのよ。正ちゃんもいるけど、彼だけじゃ
人手が足りないのよ。名物のサックスステージも、人が欠けちゃね・・・」

葉子ママはため息をついた。

「任せてください!その代わり、報酬として、おたくのミホちゃん
1週間、専属でつけてくださいね!」
-4-
マッサージ師・武井【自立編】(完)
大勢の手下から、畏敬の念で崇められているのはユリカという女だった。
彼女はその美貌とフェロモンで、あらゆる男を魅了し、支配する力を持っていた。
 ユリカというその女の正体は・・・・表向きは「大衆酒場洋ちゃん」のママであり、
裏では新興宗教の女神であった。


 今日の生贄は、佃という名の男のようだ。彼は色白で、肉付きのいい肉体を持っていた。ユリカはそういう体の男に目がないのだ。

「いただきまーす!」

ユリカは神殿・・・ではなく、大衆酒場洋ちゃんの店の奥に設置された
カーテンで仕切られた個室で、獲物をむさぼっていた。


「ご馳走様!」

3分後、ゆりかは血で口の周りをべたべたにしながら、カーテンの奥から出てきた。
心持ち、顔色もよく、お肌もつやつやしているようだ。
そう、何を隠そう、俺はこの怪しげな集団に潜伏捜査に入っている探偵、武井なのだ。
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