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マッサージ師・武井【自立編】(完) |
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どうせまたどっかのエロ小説のパクリだろ?そんなくだらないことやめてさ、
早くオレと一緒にお風呂はいろうよ♪」
「エロ小説とは何よ!シャーリー先生を馬鹿にしたら許さないわよ!!
それに二人の時間はたっぷりあるんだから、そんなに焦ることないでしょ?
本当にせっかちな子猫ちゃん♪
お風呂に入る前に新しい小説のストーリー教えてあ・げ・る♪」
「え〜やだよ〜! ストーリーってどうせ長いんでしょ?
それに晶ちゃんの考えることはいつも変態すぎて、オレ付き合いきれないよ〜!」
「うるさい!! 黙ってそこに座りな!!!」
そして晶子は静かに語り始めた・・・
【第1章・失われた時を求めて】
今、正に厳粛な空気の中、その儀式は行われようとしていた。
若い美しい女が、自分の美と若さのエネルギーにするため、
若い男の生き血をすする儀式だ。
「ハイル!ユリカ!」 |
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マッサージ師・武井【自立編】(完) |
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【プロローグ】
「さあ、そこのかわいいお姉さん」
反射的に振り向いたとたん、メーテルは唇を奪われた。
これまでに何度、カルロスのキスを想像しては切ないため息をついたことだろう。
だが、熱を持った唇の感触はどんな想像をも上回るほど強烈だった。
その唇は、隠された情熱をちらりと覗かせながらも、
甘く優しく、なだめるように動き回ってメーテルの全身をとろけさせた・・・
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「う〜ん、我ながらいい出来だわ!私ってやっぱり文才があったのね!
これから本格的に小説家デビューしちゃおうかしら?」
晶子は満足気にそうつぶやくと書きかけの原稿用紙を机の上でそろえ、
大事に引き出しにしまった。
「ねぇ、アキラもそう思わない?」
「おいおい、やめてくれよ〜。 |
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